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2016年11月測定結果 [測定結果]

 11月度の測定結果をお知らせします。一覧表です。
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 特徴的な事例を順次紹介します。

まず、加工品での検出例を紹介します
<11/3のアメリカンソース>
20161103amerikanso-su.jpg

 製造地は東京です。エビやワイン、香味野菜など
様々な材料が入っています。セシウム137のピークは
明確です。本機ではCs137(662KeV)の半数である331chに
表示されます。重量補正して1.9Bq/kg(下限値1.0Bq/kg)と
なりました。産地表示が義務付けされていない加工品
には十分な注意が必要です。

<11/10のそば乾麺>
 長野の工場で作られていますが、説明書きには
「北海道産のそば粉で生産」とあります。
残念ですが、Cs137、134を検出しました。
 以下、スペクトル表を参照下さい。

20161110nagano-soba.jpg

 Cs137、Cs134のピークが共に見ることができます。
重量補正して3.2Bq/kg(但し下限値は1.4Bq/kg)と
なりました。

<宮城の11/11玄米、11/26白米、11/26炊いたご飯>
 知人から送られてきた宮城のお米を
念のためと測定依頼されました。
 玄米は今年の新米です。

20161111miyagi-genmai.jpg

 懸念されたようにCs137のピークがあります。
K40によるコンプトン散乱の数値かさ上げを相殺して
1.1Bq/kgの検出となりました。

 そこでこの玄米を精米した白米の測定を
行いました。以下、その結果です。ご覧下さい。

20161126miyagi-hakumai.jpg

 Cs137のピークは見えます(331chのところ)が
値は0.6Bq/kgですが、下限値が0.6Bq/kgなので
「定量限界未満」となりました。

 次に、それを水で研ぎ、炊飯してみました。

20161126miyagi-gohan.jpg

 Cs137のピークはかすかに見える(331chのところ)ので
「定量限界未満」と判断しましたが、玄米の段階で存在した
Cs137はほとんどなくなっています。
 なので、依頼者さんには食べる前の「入念な研ぎ」を
お薦めしました。これはこれまでの測定経験からも
大事な点だと思います。

<11月福島の請戸川河川敷の泥土>
 福島浪江町付近を流れる請戸川の河川敷から採取した泥土が
持ち込まれました。
 請戸川に関係する行政のHPを見ると
水は2~3Bq/kgだが、底質は2万~38万Bq/kgあるとの
記述があるので、慎重な作業を行った。

201611hukusima-dorotuti.jpg

 持ち込まれた検体が320gより多かったので
重量補正して14800Bq/kgになりました。あまりの
セシウムの多さのために、40分で測定を中止。
 Cs137、134のピークがそのKeVにぴったりと
恐ろしいほどに合致しています。この検体は
多くの水分を含んでいるので乾燥させた320gを
測ればその倍近い数字を示すのではないか?と
思います。また、ストロンチウムのようなβ線を
出す核種もこれに含まれているのでは?とも
思います。
 福島原発事故での大量の放射性物質が
いかに環境に甚大な被害を与えるものかということが
よくわかります。放射性物質を無害化できるのは、
「膨大な時間経過」だけなのです。その間、放射線を
はき続けて人体や環境に被害を与え続けて行くのです。

 ちなみに採取した場所の空間線量は依頼者の話に
よると「地面から10㎝で2.36μ㏜/h」だったそう。
年間に換算すると20m㏜を越えるところです。
<11月福島の田んぼの土、水、籾殻>

 10月に最近避難指示解除された地域の
玄米の測定を行いました。結果は、オールCsで
1.9Bq/kg、その白米が定量限界未満でした。

 そこで、依頼者の方は、この米が採れた田んぼの土と水、
そして脱穀の際に出た籾殻を11月に持ち込まれました。

<田んぼの土>

201611hukusima-tanbonotuti.jpg
 明らかにCs137もCs134も存在します。
検体量が多かったので重量換算して
オールCsで196Bq/kg。

<田んぼの水>

201611hukusima-tanbonomizu.jpg

 Cs137は数値はマイナスとなっていますが、ピークが
見えるので「定量限界未満」(下限値0.6Bq/kg)です

<11/28その田んぼから採れた米の籾殻>
201611hukusima-momigara.jpg

 この土と水で栽培されたお米の籾殻の
数値は重量換算して4.4Bq/kg(下限値2.2Bq/kg)
でした。籾殻の測定は初めてですが、
Cs137も134もそのピークが確認できます。

 そして、この籾殻を取った玄米のセシウム量が
最初に述べたように1.9Bq/kgとなっています。

 放射性物質に汚染されているために、土の入れ替えや
カリウム散布、セシウムを吸着するゼオライト投入など
の対策を講じた農家の努力の後がセシウムの数値に
跡づけられていると思います。

 最後に不検出の例を説明します。

<11/23京都宇治の水道水>
 蛇口水です。
20161123uji-suidousui.jpg

 茶色の線はBG(バックグランド。測定室に何も
入れないで測定したもの)、赤色の線が水道水です。
Cs137が0.1Bq/kgされていますが、662KeV(表示は331ch)
には全くピークがないので、誤検出と判断できます。
 ただ、水を正確に測定するにはイオン交換樹脂で
濃縮することが必要です。手間も水量も多く必要です。
気になる方は、ご相談下さい。
 
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コメント 4

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331KevのところがCs-137なんですか????????
初耳ですね。
いい加減な測定にわをかけていいかげんな記事は書かないように。
by お名前(必須) (2016-12-26 17:51) 

no-nukes

>名無しさんへ

 本文をよくお読み下さるとありがたいです。

「本機ではCs137(662KeV)の半数である331に
表示されます。」と記述しています。

 

 
by no-nukes (2017-01-12 21:51) 

お名前(必須)

Cs137のピークはかすかに見える(331KeVのところ)の・・・
と記載。
331チャンネルでしょ。
2箇所そんな記述かありますね。

大体文字抜け多すぎ。
by お名前(必須) (2017-01-13 00:29) 

no-nukes

>名無しさんへ
 2カ所確かに入力ミスありました。
よくチェックして頂いており、ご指摘に感謝!
以後気をつけますね。
 色々とお詳しいようで、測定に関わっている方と
お見受けします。HPやブログなど運営しているもの
あれば、お教え下さい。

>みなさんへ。
 ZIPではセシウムのKevは半数で表示されますので
 よろしくお願いします。

 
 
by no-nukes (2017-01-17 10:02) 

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