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「内部被ばくを考える市民研究会」の記事紹介 [産総研85Bq/kg試料による機器チェック]

 放射線と内部被ばくについての正しい知識を広めておられる
内部被ばくを考える市民研究会」代表の川根眞也氏が
2019年7/29、ホームページで
「川口市の水道水の放射能汚染に関するブログの記事の誤りについて」とする論文
アップされているので紹介いたします。

 その論文の中では、本高槻測定所の使用する測定器ZIPの
測定の仕組みをわかりやすく紹介して頂きました。
また、「国立研究開発法人産業技術総合研究所」提供の
標準玄米試料(85Bq/kg)測定を通じて本測定器(ZIP)の測定能力の
高さを立証した当方の測定結果も論文の中で引用・紹介して
頂きました。
 リンクさせて頂きますので是非お読み頂ければと思います。
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国立研究開発法人産業技術総合研究所の「標準玄米」試料測定 [産総研85Bq/kg試料による機器チェック]

「国立研究開発法人産業技術総合研究所」
が開発した「放射性セシウムを含む玄米の認証標準物質」
(以下、「標準米試料」と略す。2012年8/31から頒布)を
ZIPで測定し、ZIPの測定能力にどれほどの正確性が
あるのか検証してみました。

1.「標準米試料」とは?
玄米粒で試料量は81 g(正味質量)
放射能濃度 Cs全体 85.4 Bq/kg(2012年8/1段階)
その内訳は、Cs137が51.8、Cs134が33.6でCs全体85.4Bq/kg
となっています。
 この試料について、産総研のHPではこう書かれています。
「今回頒布する認証標準物質の放射能濃度は約85 Bq/kgであり、
厚生労働省による一般食品の放射性セシウムの基準値
(100 Bq/kg )より若干低い。そのため、検査機関が
この認証標準物質の放射能を正しく測定できれば、
基準値を超える食品の放射性セシウムの測定が
できることの確証となる」と。
つまり、測定器が正しく測れているかの大きな目安となるわけだ。

2.頒布された試料の現在の理論値(計算値)
 頒布当時Csは85.4Bq/kgだったが、経年しており
値は減少しているので、現在の推定理論値を示します。
 Csall 53.99Bq/kg  Cs134 7.32Bq/kg  Cs137 46.67Bq/kg

3.当測定器(ZIP)を使って10時間測定の結果

 20170215hyoujun-genmai-hon20h.jpg

 ZIPは検体は320gですが、標準米試料は81gです。
打ち出されている数値を重量換算する必要があります。
その結果は次の通りです。

 ZIP測定値 Csall 52.9Bq/kg  Cs134 7.50Bq/kg  Cs137 45.83Bq/kg
  計算値 Csall 53.99Bq/kg  Cs134 7.32Bq/kg  Cs137 46.67Bq/kg

ZIPでは誤差数値の3倍が下限値とななります。
本体が81gなので、重量換算して下限値は3.6Bq/kgです。

 測定値(52.9Bq/kg)と計算値(53.99Bq/kg)との差はわずかに
-2.02%です。


 検体がお米なので天然核種が妨害を行っているかも?と
考え、Cs137のカウントが1カウントしかなかった
「丹波産の白米のスペクトル」をBGにしてみました。
 スペクトル表をご覧下さい。

20170215hyoujun-genmai-hakumaibg.jpg

 空の20時間BGの時と同じように重量換算してみると
こうなります。

 ZIP測定値 Csall 53.73Bq/kg  Cs134 7.51Bq/kg  Cs137 46.22Bq/kg
 計算値  Csall 53.99Bq/kg  Cs134 7.32Bq/kg  Cs137 46.67Bq/kg

 下限値は3.6Bq/kg。その差はわずかに-1.15%になりました。
 トータル値でもマイナス1%強。標準米試料がわずか81gにも 関わらずです。手前味噌ですが、ZIPの優秀性を改めて実感した
次第です。

 このように当測定所では、この「標準米試料」の他にも
ZIP販売元のシンメトリック社が開発した「5ベクレル試料」を
定期的に測定して、機器の正確性を確認しています。

 高槻・市民測定所は「1ベクレルまで測る」ことに
拘って活動します。




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